一旦、ワークシート上に描いた図形は、手を加えて望みの図形にしていくために、様々な要素を編集することができます。
描いた図形を選択すると、リボン上に「図形の書式」タブが現れますので、そのタブをクリックして開きます。
「図形の塗りつぶし」で図形を塗りつぶす色を選び図形に色を塗ります。
同じく、「図形の枠線」で図形の外枠線の色を選べます。
「塗りつぶしなし」や「線なし」も選ぶことができます。「塗りつぶしなし」は内部が透明(透過されている状態)です。
【便利知識】
「図形の塗りつぶし」で「その他の塗りつぶしの色」を選び、「色の設定」画面の下にある透過性バーを右に動かす(もしくは%入力ボックスで2ケタの数字を入力する)ことで、背景が透けて見えます。
写真に映っている人物の顔や車の番号などをぼかして隠したい時などに利用すると便利です。
【便利知識】
「図形の塗りつぶし」では、グラデーションやテクスチャも選べます。
グラデーションとは「異なる2色の間を色や濃淡が滑らかに連続して変化させる表現」のことで、Excel2016ではグラデーションのさせ方をいろいろ設定できます。
テクスチャとは元来「生地」「質感」「感触」といった意味の言葉で、図形描画においては物体の「質感」を表現するために使用される画像を言います。
【便利知識】
「図の書式設定」では「パターン」を選択することができます。
「パターン」は、パターンの形と、前景の色、背景の色(通常は白色)の組み合わせで設定します。
「図形の書式設定」は、「図形のスタイル」グループの右下の斜め矢印をクリックするか、図形を選択して右クリックで表示されるショートカットメニューから「図形の書式設定」を選ぶと現れます。
【便利知識】
「図形の塗りつぶし」の「図」を選ぶと、写真画像やアイコンなどの「画像」で図形の中を塗りつぶすこともできます。
図形を写真の額縁のようにしたり、アイコンと組み合わせて標識風にしたり、と様々な利用が考えられます。
作成済みの図形は、後述の拡大・縮小の方法でサイズを変えることができますが、高さと幅の数値をcm単にで指定して設定することもできます。
数値を変更すると、左上の基点として図形が拡大・縮小されます。
操作方法は図形の作成時と同じです。詳しくは「図形を描く」ページを参照ください。
描いた図形を選択するとオブジェクト全体を示す四角の枠が表示されます。
その四隅と各辺の中央にある白丸マーク(サイズ変更ハンドル)のいずれかににマウスを近づけると横(左右)、縦(上下)、あるいは斜めに両方向の矢印マークが表示されます。
その状態でドラッグすれば図形を変形(上下左右と斜めに伸縮)することができます。
【便利知識】
「Shift」キーを押しながらサイズ変更ハンドルをドラッグすれば、縦横比を変えずに拡大・縮小できます。
図形の中央上部にある回転マークをドラッグすると、図形を回転できます。
【便利知識】
厳密な角度調整が必要な場合には、図形の書式設定ダイアログボックスの「3D回転」設定を使って、数値入力をすることで回転角度を設定します。
回転マークでのドラッグと同じ次元の回転は、「Z方向に回転」の設定です。
図を左右や上下に反転させたい時は、「書式」タブの「回転」のメニューから選びます。
「回転」メニューで左右への90度回転も選べます。
図形によっては黄色い丸マークが表示されます。
それをドラッグすると図形の形を微調整できます。
例えば上述の矢印は、2ヵ所のマークをドラッグして、頭部分の形状や線の太さを変形することができます。(右図参照)
図形によってこのマークの出現数が異なります。このマークの出ない図形の形を微調整できません。
(例えば吹き出しの図形ではほとんど1つです。中には4つ出てくるものもあります。)
頂点とは一般に角の端にある点のことをいいますが、オートシェイプ機能では、円などの円弧にも頂点を付けて、そこをつまんでドラッグすることで、自由な変形ができるようにしています。つまりオートシェイプでの頂点は変形のポイントを示しているとご理解ください。
既存の図形を選んで、「図形の書式」タブにある「図形の編集」をクリックして、さらに「頂点の編集」をクリックすると、図形の変形ポイント(頂点)が現れます。
いずれかの頂点をつまんでドラッグすると、自由に図形を変形できます。
右図は、頂点の編集で作成した変形の矢印、変形の楕円の例です。
【便利知識】
「頂点の編集」をしている状態で、図形をかたどっている線部分を選んで右クリックすれば、頂点の追加をすることもできます。また、頂点を選んで右クリックすれば、頂点を削除することもできます。
既存の図形を選んで、「図形の書式」タブにある「図形の編集」をクリックして、「図形の変更」にマウスオーバーすると、オートシェイプの選択画面が現れます。
そこで別の形の図形を選んで作成し直すことができます。
【便利知識】
図形のサイズ(高さと幅)は既存の図形のものが引き継がれます。
【便利知識】
この方法で、矢印の方向を逆にしたり、向きを変えたりもできます。
矢印の形も変えることができますが、幅のある矢印から線だけの矢印や直線は選べません。
【便利知識】
線だけの図形は、「図形の編集」ができません。
矢印を付けたり、矢印の方向を変えたりするには、図形の書式設定の「塗りつぶしと線」画面で行います。
直線や矢印など一部の種類を除いて、図形には文字を入力できます。図形を選択して、そのままキーボードから文字を入力するだけです。
図形内の文字の配置は、「ホーム」タブの「配置」グループにあるボタンで調整できます。
図形内の文字は、「ホーム」タブの「フォント」グループで、フォント、フォントサイズ、色などを調整できます。
【便利知識】
Excel2016では、図形内に入力した文字を選択すると自動的にフォント、フォントサイズ、色などを調整するためのボックスが現れますので、便利です。
【便利知識】
図形内に入力した文字は、既定では図形内で折り返すように設定されています。
折り返したくない場合は、図形の書式設定の「サイズとプロパティ」の中の「テキストボックス」で「図形内でテキストを折り返す」のチェックを外します。
【便利知識】
また、デフォルトでは図形から文字がはみ出さない設定がされています。
はみ出しても良いので全部の文字を表示させたい時は、同じく「テキストを図形からはみ出して表示する」にチェックマークを付けます。
ただし、この設定をすると、文字が多い時に、図形が変形してしまうので、注意が必要です。
【便利知識】
図形内の書式設定の「テキストボックス」で、「縦書き」の指定も可能です。