OSとアプリ

アプリとは

スマートフォンが普及して以来、アプリという言葉がかなり一般的に使われるようになりました。

 

アプリは、アプリケーション(Application)の略で、正式にはアプリケーションソフトウェア、あるいはアプリケーションプログラムと呼び、メールソフトやWordやExcelなどの文書・表計算のソフト、あるいはゲームなどのソフトのように、ユーザーの利用目的に合わせて特定の作業をするために設計されたソフトウェアの総称です。特定の企業の業務に合わせて開発された業務アプリケーションや、市販されている各種のパッケージソフトウェアは、皆アプリということになります。

 

アプリは、パソコンが普及する前の頃は、Applicationの和訳である「応用」から、応用ソフトウェアとも呼ばれていました。

今では、スマートフォンに様々なアプリをダウンロードしてインストールするためのサービスを、アップル社ではApp Store(アプリストア)と呼ぶように、アプリケーションのことをAppとも略すようになりました。

 

【便利知識】

主なアプリのダウンロードサービスは以下のサイトで運営されています。

  • アップル社    App Store      iPhone/iPAD/iPOD用アプリ
  •          Mac App Store   Mac OS用アプリ
  • グーグル社    Google Play Store android スマホ/タブレット用アプリ
  • マイクロソフト社 Microsoft Store  Windows Phone用アプリ、Windows OS用アプリ

アプリの例

パソコンやスマートフォン、あるいはメインフレームなど、様々なIT機器の上で動くソフトウェアは、OSやBIOSという範疇のものを除けば、皆アプリということができます。その中でも代表的なものを、分野ごとに挙げてみます。

 

企業業務向け

 財務管理、顧客管理、生産管理、在庫管理、販売管理などの業務を遂行するためのソフトウェア

システム基盤関係

 データベース管理、文書管理、ワークフロー、メール、グループウェア、ウィルス対策

 などの企業内の情報資産の管理や共有を図るためのソフトウェア

コンテンツ・メディア関係

 写真・動画撮影/閲覧、画像編集、動画編集、サウンド編集、

 ミュージックプレイヤー、ビデオ/ムービープレイヤー、テレビ/ラジオプレイヤー、

 ブラウザ、ホームページ編集(CMS)、各種SNS(ツイッター、インスタグラム) など

生活全般

 ワープロ、表計算、年賀状、家計簿、ラベル印刷、地図・ナビゲーション、乗換案内、

 天気予報、ニュース、カレンダー、メモ帳、電卓、各種ゲーム など

その他、教育分野や技術研究開発分野などにも、それぞれに適したアプリが多数あります。

 

OSとは

上述のように様々なアプリがありますが、アプリの範疇に入るソフトウェアがパソコンやスマートフォンあるいはメインフレームなどのIT機器で稼働できるのは、それらの機器にOSがインストールされているからです。

さらに言えば、一般的にはOSが異なるとアプリは動きません。つまり、アプリはOSに合わせて開発されているのです。例えば、スマートフォン用のアプリの多くは、iPhone・iPad用とandroid搭載のスマートフォン用のそれぞれに別のアプリとして開発されています。

 

OSとは、Operation Systemの略で、基本ソフトウェアと呼ばれることもあります。Operation、すなわちコンピュータの運転を司る役目を果たすのがOSです。

OSの目的は、主には、以下の3点です。

  • コンピュータに付属・接続するハードウェアを制御する
  • メモリやハードディスクなどのコンピュータ資源(リソース)を有効活用できるよう制御する
  • 複数のアプリなどが同時に動いている時に、資源割り当ての順番や処理の割り当て時間を工夫して、全体のスループットが向上するよう制御する

OSは、コンピュータの発達とともに、様々なものが生まれ、進化してきました。初期の頃はコンピュータメーカがコンピュータの機種ごとに専用のOSを用意しましたが、やがて、同じOSで動く機種をシリーズ化し、さらには、異なるメーカ間でも同じOSで動く機種が開発されるということが起きてきました。

メインフレームの世界では、コンピュータメーカが淘汰されるにつれ、OSの種類も絞られていき、現在でも有効なメーカ製のOSは、IBM社のz/OSくらいです。

 

この流れは、パソコンの世界では一層顕著で、当初は様々なメーカが独自のOSを搭載したパソコンを開発・販売していましたが、ソフトウェア開発専門のマイクロソフト社が開発したOS(当初はMS-DOS、次いで、MS Windows)が出現すると、それに対応したパソコンが市場を席捲することになりました。

マイクロソフト社のように、コンピュータのハードウェアの開発はせず、OSの開発に注力してそのOSを搭載する仲間のメーカを増やす、という戦略の会社も表れる一方で、アップル社は、自社のIT機器の性能や使い勝手を最良のものにするため、開発したOS(Mac OSとiOS)はあくまで自社製品に搭載する方針を貫いています。

 

スマートフォンやタブレットの世界でも同様で、現在はグーグル社が開発したandroid、アップル社のiPhone・iPadに搭載されているiOS、マイクロソフト社がWindows OSをスマートフォン対応化したWindows Phoneの3つのOSにほぼ集約されています。

 

なお、メーカ製のOSに飽き足らない技術者達の一部では、LinuxやFreeBSDといったオープンソースのOSを自作パソコンなどに搭載して、コストを抑えたり、性能向上を図ったりしています。

 

BIOS

アプリがOSのもとでしか動かないことは上述しました。ではOSはどうでしょう。

コンピュータの電源が押されてから、OSが立ち上がるまでの間は、誰がコンピュータを制御しているのでしょうか。

 

その役目を果たしているのが、BIOS(Basic Input/Output System:基本入出力システム)です。

BIOSは、電源を切っても情報が失われないROM(Read Only Memory)と呼ぶ特殊なメモリに記録されたソフトウェアで、コンピュータメーカがそのコンピュータのために準備したプログラムです。

 

コンピュータの電源投入直後やリセット直後に、BIOSのプログラムが実行され、まず、周辺装置を含めてコンピュータ全体が初期化されます。

初期化が完了すると、BIOSは、ブートストラップローダ(Bootstrap Loader)と呼ばれる小さなプログラムを呼び出し、ハードディスクからOSをRAM(Random Access Memory)にロードさせます。この処理の流れをブートストラップ(Bootstrap)あるいはブート(Boot)と呼びます。ブートストラップとはブーツのかかと側にあるつまみ革を自分で引っ張って自分を持ち上げる、というイメージから名付けられた用語です。

OSが立ち上がると、コンピュータの動作の制御はOSにバトンタッチされます。

 

【便利知識】

BIOSのように、IT機器に組み込まれた制御用のソフトウェアのことをファームウェア(Firmware)と呼びます。プリンタ(複合機)などにもファームウェアが組み込まれています。

 

【便利知識】

Windowsパソコンに電源を投入した時に、通常はBIOSの設定画面が表示されず、しばらくしてWindows OSが立ち上がり、デスクトップ画面(あるいはスタートメニュー画面)が出てくると思います。

パソコンの動作に何らかの不具合を感じたときなどで、BIOS設定画面を出したい時は、電源を投入後、メーカのロゴが出ている間に、「F2」キー(メーカによっては、「delete」キーあるいは「F1」キー)を数回押してみてください。