Society5.0(超スマート社会)

Society 5.0(ソサエティ5.0)は、日本政府提唱による科学技術政策の基本指針のひとつで、第4次産業革命がもたらすであろう「新しい社会」を示すキャッチフレーズとして登場しました。(参考:第5期科学技術基本計画(2016~2020))。

 

「狩猟社会(1.0)」「農耕社会(2.0)」「工業社会(3.0)」「情報社会(4.0)」に続く、人類史上5番目の新しい社会という意味合いで、第4次産業革命によって、新しい価値やサービスが次々と創出され、経済発展と社会的課題の解決を両立させて、人々に豊かさをもたらす人間中心の社会を、世界に先駆けて実現する狙いです。

 

これまでの社会では、様々な制約や限界から、知識や情報が共有されず、分野横断的な連携が不十分であるという問題がありました。Society 5.0で実現する社会では、IoT(Internet of Things)ですべての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有されて今までにない新たな価値が生み出されるとともに、AI(人工知能)により必要な情報が必要な時に提供され、ロボットや自動走行車などの技術で少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題も克服されることが期待されています。

 

 

出典:内閣府「Society 5.0」
出典:内閣府「Society 5.0」

Society 5.0で実現する社会を「超スマート社会」とも言います。超スマート社会は、「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会のさまざまなニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会」と定義されています。

 

情報技術基盤という点では、第4次産業革命(インダストリー 4.0)とSociety 5.0(ソサエティ 5.0)とは全く同じで、産業面から見れば第4次産業革命、日常生活などを含む社会面から見ればSociety 5.0の実現が期待されているということなのです。

 

 

Society 5.0では、我が国の経済発展と社会的課題の解決の両立が目指されています。

経済発展が進む中、人々の生活は便利で豊かになり、エネルギーや食料の需要が増加し、寿命の延伸が達成され、高齢化が進んでいます。また、経済のグローバル化が進み、国際的な競争も激化し、富の集中や地域間の不平等といった面も生じてきています。一方、解決すべき社会的課題は複雑化してきており、温室効果ガス(GHG)排出の削減、食料の増産やロスの削減、高齢化などに伴う社会コストの抑制、持続可能な産業化の推進、富の再配分や地域間の格差是正といった対策が必要になってきています。

 

 

出典:内閣府「Society 5.0」
出典:内閣府「Society 5.0」

いままでの社会システムでは経済発展と社会的課題の解決を両立することは困難でしたが、IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータといった先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れることにより、これが可能になると期待し、課題先進国でもある我が国が世界に先駆けてこれに取り組もうとしているのです。