表の作成と編集

スライドの中に表やグラフを挿入したい時は、Excelで表やグラフを作成しておいて、それらをコピー&貼り付けの形で転記する方法が一般的で、便利です。

 

PowerPointにも表作成やグラフ作成の機能がありますが、操作方法に独特のクセがあり、はっきり言って、使いにくいです。特に表作成では、「列幅の調整」「行の高さの調整」などが思うようにできず、イライラされる方も多いのではないでしょうか。

 

ただし、テキストだけの表とか、一覧表といった簡単な表であれば、PowerPointの表作成機能を使う方が簡便なことは確かですので、その操作方法について解説します。

 

【便利知識】

PowerPointとWordの表作成機能と操作方法はほぼ同じです。

 

【便利知識】

PowerPointの表には計算機能がありません。集計や平均などを自動計算させたいならば、Excelとの連係で対処することをお勧めします。なお、Wordの表では、SUMなどの関数や計算式が使えます。 

 

表の挿入

表の作成で最初に考えておかなければいけないのは、何列・何行の表を作成するのか、ということです。もちろん後から、列や行を追加したり、削除したりすることはできますが、まずは、列数と行数を決めて作業に入ります。

 

PowerPointの表作成は、表を挿入したいスライドを表示した状態で、「挿入」タブをクリックし、左から2番目の「表」ボタンをクリックします。

 

行と列の数をマス目の範囲で指定

「挿入」タブの「表」をクリックすると、一番上に行と列を選択するためのマス目を含んだリストが表示されます。

 

このマス目をマウスオーバーしていくと、マウスを指している箇所の行と列の数が変化しつつ、スライド上にはその数での表イメージがプレビューされているのがおわかりと思います。

 

作成したい行数・列数の位置でクリックすれば、プレビューの表がスライド上に挿入されます。

 

この方法では、最大で、8行×10列の表が作成できます。

 

「表の挿入」のマス目の範囲で挿入される行と列の数が決まります
「表の挿入」のマス目の範囲で挿入される行と列の数が決まります

行と列の数を数字で指定

マス目をクリックするのではなく、「表の挿入」をクリックすると、列数と行数を指定して、表を作成できます。

 

この方法を使えば、8行x10列を超える表が最初から作成できます。(最大は列・行とも75です。)

 

「表の挿入」をクリックして
「表の挿入」をクリックして
行と列の数を数字で指定
行と列の数を数字で指定

プレースホルダー内の「表の挿入」ボタン

プレースホルダー内にコンテンツ挿入用のボタンが並んでいる時は、その中の「表の挿入」ボタンをクリックするだけで、列と行の数指定で表を挿入できます。

 

プレースホルダー内のボタンで「表の挿入」
プレースホルダー内のボタンで「表の挿入」

列・行のタイトルとデータの入力

文字の入力

列・行のタイトルとテキストや数値などのデータを入力するには、各枠内(セル)をクリックで選択して、文字を入力していきます。

 

フォント(種類・サイズ・色)や文字の位置(左寄せ・中央揃え・右寄せ)などの指定は通常の操作と同じです。

 

セル内のテキストを消したい場合は、文字列を選択しておいて、「Delete」キーを押します。

 

タイトルやデータを入力
タイトルやデータを入力

【便利知識】

列あるいは行を選択しておいて「Delete」キーを押しても、列や行は削除されません。単に文字列が消えるだけです。列や行の削除については後述します。

 

セル間の移動

セル間の移動のキーボード操作は、「Tab」キーあるいは上下左右の矢印キーで行います。

 

 ・「Tab」キー         右側のセルに移動

 ・「Shift」キー+「Tab」キー    左側のセルに移動

 ・矢印キー             上下左右の指定したセルに移動

 

【便利知識】

Excelのように「Enter」キーでセル間を移動することはできません。

またExcelでは、セル内で改行したい場合は「Alt」キーを押しながら「Enter」キーを押しましたが、PowerPointの表は(Wordの表も)、単に「Enter」キーを押せばセル内で改行します。

  

セル内の配置

【便利知識】

PowerPointの表は、水平方向の配置が左揃え、垂直方向の配置が上揃えになっています。

 

水平方向の配置は、通常「ホーム」タブの「段落」グループの配置ボタン(左揃え、中央揃え、右揃え、両端揃え)で変更します。

垂直方向の配置は、「段落」グループの「文字の配置」ボタンをクリックしてから配置方法を選びます。

 

セル内の配置は、表ツールの「レイアウト」タブ内の配置グループにある配置ボタン、あるいは「図形の書式設定」の「サイズとプロパティ」欄でも変更できます。

 

「文字の配置」ボタンによる垂直方向の配置変更
「文字の配置」ボタンによる垂直方向の配置変更
「配置」グループのボタンによる配置変更
「配置」グループのボタンによる配置変更
「図形の書式設定」を使った配置の変更
「図形の書式設定」を使った配置の変更

表の編集

列・行の挿入と削除

表の列や行を挿入したり削除したりする場合は、通常は表ツールの「レイアウト」タブを使います。

 

「レイアウト」タブの「行と列」グループには、行・列の挿入のための4つのボタンと、「削除」ボタンが用意されています。

 

「レイアウト」タブの列・行の挿入と削除ボタン
「レイアウト」タブの列・行の挿入と削除ボタン

あるいは、右クリックによるショートカットメニューからでも操作できます。

 

表中のいずれかのセル、行全体、あるいは列全体を選択しておいて、右クリックすると、通常のショートカットメニューに加えて、上部に特有のメニューが出現します。その中に、行・列の「挿入」ボタンと「削除」ボタンがあります。

 

以下は、ショートカットメニューからの操作で説明します。

 

ショートカットメニューによる列・行の挿入と削除
ショートカットメニューによる列・行の挿入と削除

列または行の挿入

ショートカットメニューの「挿入」ボタンをクリックすれば、列(左右のいずれか)または行(前後のいずれか)を指定した位置に挿入できます。

 

【便利知識】

例えば、複数の行を選択しておいて、行を挿入すれば、選択しておいた行数分、まとめて挿入できます。たくさん増やしたい時は便利です。お試しください。

 

列または行の挿入
列または行の挿入

列または行、あるいは表全体の削除

「削除」ボタンをクリックすれば、選択したセル(または列、あるいは行)を含む列や行、あるいは表全体を削除できます。 

 

列・行あるいは表全体の削除
列・行あるいは表全体の削除

列幅、行の高さの調整

ドラッグによる列幅や行の高さの調整

列幅や高さを調整するには、境界線にマウスポインタを合わせて、ドラッグします。

 

列幅を調整する時は、調整したい列の右側の境界線にマウスポインタを合わせます。マウスポインタが左右開きの形になったことを確認して、右あるいは左にドラッグします。

 

行の高さも同様に、調整したい行の下側の境界線にマウスポインタを合わせて、マウスポインタが上下開きの形になったことを確認して、下あるいは上にドラッグします。

 

ポインタが左右開きの状態でドラッグして列幅を調整
ポインタが左右開きの状態でドラッグして列幅を調整

【便利知識】

ドラッグで列幅や行の高さを調整する場合、表全体のサイズは変更されないので、どうしても他の列や行の幅や高さに影響が出てしまいます。例えば、列幅を調整しているのに、文字列が納まらないセルが出て自動的に改行されてしまい、行の高さが変わるなど、レイアウトが乱れることが往々にしてあります。

 

列幅の数値を指定する方法(後述)を使えば、表全体のサイズが自動的に変わり、他の列や行のセルへの影響がでません。

 

列幅の自動調整

マウスポインタが左右開きの形になったことを確認して、ダブルクリックすれば、文字列の幅に合わせて、自動的に調整できます。

 

ダブルクリックで列幅を自動調整
ダブルクリックで列幅を自動調整

列幅、行の高さを揃える

表全体、あるいは複数の列を選択しておいて、表ツールの「レイアウト」タブの「セルのサイズ」グループにある「幅を揃える」をクリックすれば、選択した列の幅を揃えることができます。

 

 

列の幅を揃える
列の幅を揃える

同様に、表全体、あるいは複数の行を選択しておいて、表ツールの「レイアウト」タブの「セルのサイズ」グループにある「高さを揃える」をクリックすれば、選択した行の高さを揃えることができます。

 

 

行の高さを揃える
行の高さを揃える

列幅、行の高さの数値を指定する

表ツールの「レイアウト」タブの「セルのサイズ」グループにある「高さを揃える」「幅を揃える」に左にあるボックスで、それぞれ「行の高さ」と「列の幅」の数値を指定して揃えることができます。

 

列幅、行の高さを数値で指定
列幅、行の高さを数値で指定

表サイズの変更

PowerPointで表を挿入した直後は、横幅はスライド全体に広がる形で、高さは使用しているフォントのサイズに合わせた形で、各セルは同じ幅・同じ高さで作成されています。

 

上述の通り、列の幅や行の高さを調整していくと、表全体のサイズが変わってきますが、手っ取り早く表のサイズを変更したい場合は、表の外枠にある8つの○(表サイズ変更ハンドル:4隅と4辺の各中央にあります)のいずれかをドラッグします。

 

各セルは同じ比率で拡大あるいは縮小されますが、文字列がセルに納まらない場合は、自動的に改行され、そのセルを含む行の高さが大きくなります。

 

セルの結合と分割

PowerPointで作成した表もセルの結合・分割ができます。

 

セルの結合

左右and/or上下の隣り合わせの複数のセルを選んで、「レイアウト」タブの「セルの結合」ボタンを押せば結合できます。右クリックによるショートカットメニューからも「セルの結合」を選ぶことができます。

 

【便利知識】

Excelのセル結合では、左上のセル内のデータのみが保持されて、他のセル内のデータは消されてしまいますが、PowerPointのセル結合では、全てのセル内のデータが結合されたセル内に残ります。

 

セルの分割

1つのセルを選んで、「レイアウト」タブの「セルの分割」ボタンを押せば、列数と行数を指定してセルを分割することができます。右クリックによるショートカットメニューからも「セルの分割」を選ぶことができます。

 

【便利知識】

Excelのセル分割は、「セルの結合」の解除、つまり、セル結合されていたものを元のように分割するだけの機能ですが、PowerPointのセル分割機能は、セル結合されたものであるかどうかは問わず、1つのセルを任意の列数・行数に分けることができます。データは分割されたセル群の左上のセルにのみ残ります。

表のデザイン

PowerPointで表を作成すると、予め標準のデサインが反映された表が挿入されてきます。表ツールの「テーブルデザイン」タブで、簡単に表のデザインを変更することができます。

 

表のスタイル

PowerPointには「表のスタイル」として、60種類(淡色系21種類、中間色系28種類、濃色系11種類)もの配色デザインが予め用意されています。

この一覧から選ぶことで配色を変えることができます。

 

【便利知識】

淡色系のデザインを選ぶと柔らかい印象になり、濃色系のデザインを選ぶとシャープな印象になります。

 

「表のスタイル」一覧から配色デザインを選ぶ
「表のスタイル」一覧から配色デザインを選ぶ

【便利知識】

1行ごとに色が交互に付くスタイルは、行の区別を明確にする効果があります。

 

表スタイルのオプション

作成されたばかりの表は、標準では「タイトル行」が濃い目の青色で、1行ごとに薄い青色で縞模様になっています。

 

「表スタイルのオプション」を見ると、「タイトル行」と「縞模様(行)」にチェックが付いていることが分かります。

 

「集計行」や見出しである「最初の列」の色を変えて目立たせたいという時は、「表スタイルのオプション」で、それらの項目にチェックを付けるだけで良いのです。

 

「集計行」と「最初の列」にもチェックを入れた例
「集計行」と「最初の列」にもチェックを入れた例

【便利知識】

チェックを付け変えると、スライド内の表に反映されるとともに、右側にある「表のスタイル」に表示されている表のスタイル一覧も変化します。