描画した図形の利用

WordやPowerPointに貼り付ける

描画した図形を選んでコピー(または切り取り)して、WordやPowerPointの画面上で貼り付けを行えば、Excelで作成・編集した図形がWordやPowerPointで利用できます。

 

「ホーム」タブの左上に、「切り取り(鋏のアイコン)」、「コピー(文書複写のアイコン)、貼り付け刷毛のアイコン)がありますので、一般にはそれを使います。

 

【便利知識】

キーボード操作に慣れている方は、「Ctrl」キーを押しながら「X」(切り取り)、「Ctrl」キーをおしながら「C」(コピー)、「Ctrl」キーを押しながら「V」(貼り付け)の操作で行う方法が簡便です。これらのキーはいずれも左手で操作できる位置にあります。

 

単に貼り付けた場合、「Microsoftグラフィック・オブジェクト」としての貼り付けとなります。「Ctrl」キーを押しながら「V」での貼り付けもこの形式です。

この場合、貼り付け先のWordやPowerPoint上でも図形やテキストの編集ができますが、貼り付けた際に、Excelで作成した図形を形や文字が少し変わってしまうことがあります。

 

【便利知識】

Excelでの見た目通りに貼り付けを行いたい時は、「形式を選択して貼り付け」で、「図(拡張メタファイル)」などの図(画像データ)としての形式を選んで貼り付けます。

 

画像データの形式

ExcelやWordでの画像データの形式には下表のような種類があります。

適切な形式で画像を挿入すると、ファイルサイズが小さくなるため編集や表示が高速になります。用途に合わせて画像のファイルタイプを選択しましょう。

貼り付け時の形式

ファイル

タイプ

画像形式 画質 サイズ 備考
ビットマップ  bmp 

ラスタ

(点画) 
○  大 

無圧縮

Webブラウザでは使えない 
図(拡張メタファイル)

emf

wmf

ベクタ

(線画)

拡大・縮小しても画像があまり粗くならない

お勧め

図(GIF) gif ラスタ

小さなイラストやアイコンに最適

透明色が使える

図(PNG) png ラスタ

画像の質が落ちず、綺麗

お勧め

透明色を作る無料アプリあり

図(JPEG) jpg ラスタ

編集毎に画質が落ちる

写真画像に最適

Wordへの貼り付けの留意点

図やExcelで描画した図形をWordに貼り付けた場合、「行内」という配置形式で文書に画像が挿入されます。

一般的には図や図形の方が文章の行よりも高いので、行間が空いてしまって見苦しくなります。

(行内における図は、ひとつの大きな文字と思えば分かりやすいと思います。)

 

このような時は「文字列の折り返し」を指定します。

Word上で図や図形を選択すると、「図の形式」タブ(グラフを選択した場合は「書式」タブ)が現れます。そこで「配置」グループにある「文字列の折り返し」リストから適当なものを選択します。

 

【便利知識】

「文字列の折り返し」リストは、図や図形あるいはグラフを選択して右クリックして表示されるショートカットメニューからも表示できます。

 

文字列の折り返し(レイアウト)の種類は以下の通りです。

一般的には、「上下」「行内」「四角」「外周」「前面」が良く使われます。 

種別 内容
行内  段落と段落の間に画像を配置し、文章と画像を分けて配置する 
四角形 画像の周囲に文字を回り込ませる。図の周りは四角に切り取られる

外周

(狭く)

画像の周囲に文字を回り込ませる。画像が四角でない時も文字と画像の間の空白がほぼ同じ長さとなる点が、四角とは異なる (注)Word2016では「狭く」と表現されている
内部 「外周」とよく似た配置形式であるが、図の内側部分にも文字が配置される点が異なる
上下 画像と文章の行を完全に分ける。文章を移動しても図は連動しては動かない
背面 文字と重なるときは、文字が上にくる
前面 文書の余白に画像を配置するときなどに用いる。文字の上に重なる時は、文字が隠れるので、文章の方を改行するなどで調整する

画像ファイルとして保存する

作成した図形(あるいはグループ化した図形)を選択して右クリックすると、ショートカットメニューに「図として保存」が現れます。それをクリックすれば、「図として保存」画面で作成した図を、そのまま「png」形式の画像ファイルとして保存できます。

 

【便利知識】

「png」形式のほかに、「gif」形式、「jpeg(jpg)」形式も選べます。

これらのファイル形式のものはWebページにアップロードすることができます。

「bmp」(ビットマップ)形式など、他の画像のファイルタイプも選べますが、Webページで使えないので避けた方が良いでしょう。

 

【便利知識】

Windowsのアクセサリとして備わっている「ペイント」ソフトを立ち上げて、Excelで描画した図形を貼り付ければ、ペイントでさらに加工・編集した図を保存できます。

 

 

透過

WebページやWord、PowerPointなどの文書では、画像の回りなどの不要部分を切り捨てた画像に変換して挿入したいということがよくあります。

また、人物の顔などぼやかせたいという時もありますよね。

 

Excelの図形の塗りつぶしで、図(写真画像を含む)による塗りつぶしと、透明化を組み合わせれば、以下のようなことができます。

図(写真)で塗りつぶす操作と透化の操作の詳細は「図形の編集」ページを参照ください。

 

写真の周りを消す

右図を作成した手順は以下の通りです。

  1. Excelの図形描画で雲形を選んで描く
  2. 図形の塗りつぶしで、「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」を選び、画像ソースとしてオリジナルの写真ファイルを選択
  3. 図形の枠線を「線なし」で消す
  4. できあがった画像を図形として保存する
雲形にくり抜いた写真
雲形にくり抜いた写真

写真の一部を透明度のある図でぼかす

右図を作成した手順は以下の通りです。

  1. Excelに写真画像を挿入する
  2. 顔が隠れるように図形(なんでも構いません)を挿入する
  3. 挿入した図形の塗りつぶしの色と透明度を設定する(顔の輪郭がわかるくらいの透明度を選ぶ)
  4. 図形の枠線を「線なし」で消す
  5. 2~4を必要なだけ繰り返す
  6. 写真と挿入した図形をグループ化する
  7. できあがった画像を図形として保存する
顔にぼかしを入れた写真
顔にぼかしを入れた写真

画像の一部を透過させる方法はいろいろあります。

 

 

【便利知識】

Windows10で導入されたペイント(ペイント3D)では、マジックハンドという機能で残したい部分を切り取って抜き出すことができるようになりました。

「ペイント3D 透過」でネット検索すれば、参考となるページが多数見つかると思います。

 

 

ペイント3Dでくり抜いた例(出典:ペイント3Dで背景が透過する画像の作り方 https://paint.blueskyzz.com/)
ペイント3Dでくり抜いた例(出典:ペイント3Dで背景が透過する画像の作り方 https://paint.blueskyzz.com/)

【便利知識】

参考までに、筆者は「手軽に透明PNG」という無料で提供されているソフトを利用しています。

png形式の画像ファイルしか扱えませんが、操作方法は簡単で、仕上がりも問題ありません。ご興味のある方は、ネットで検索してご活用ください。

 

 

「手軽に透明PNG」というソフトで透明化した例
「手軽に透明PNG」というソフトで透明化した例