Excel表計算 関数基本講座

表計算ソフトの醍醐味は、関数を使いこなすこと、また作成された表をもとにして見栄えの良いグラフを作成すること、といえます。関数とか引数とか、耳慣れない用語にちょっと抵抗を覚えるかもしれませんが、我慢して慣れてください。

 

Excelには良く使われる計算処理や、条件判定などの論理演算処理のための関数が多数備わっています。ここでは数ある関数の中でも、良く使用されるものに絞って解説します。

 

関数とは

関数(function)はもともと数学用語で、英訳でお分かりのように「機能」を表すものです。

 

例えば、SUM関数は「合計を求めるための機能」であり、合計を求める時の最も簡単な記述方法なのです。数学の世界でもコンピュータの世界でも、決まりきった順序と計算(処理)を行うことが多いので、そのような機能毎にユニークな名前(できるだけ機能を示すようなもの)をつけて、関数と呼んでいます。

 

Excelには数値計算用だけでなく条件式用のものも含め、470以上の関数が用意されています。Excel画面の数式タブを見ると、数学/三角関数、日付/時刻関数、検索/行列、論理関数、文字列操作関数など、様々な切り口で多数の関数が用意されているのがわかります。

 

これだけ多くの関数が用意されていますので、どのような関数を使えば良いか、またその関数はどのような引数をどのように指定したら良いのかなどを、とてもすべてを覚えていることはできません。良く使う基本的な関数以外は、数式タブの左端にある「関数の挿入(fx)」というアイコンを押して、関数の分類と関数名、あるいは「何がしたいか」を指定して、適切であろう関数を探すことから始めるのが一般的です。

 

ちなみに「すべて表示」では全関数名を一覧表示させることができます。

 

引数とは

引数(argument)は「ひきすう」と読みます。関数同様に数学用語で、機能処理をさせるための関数に引き渡す値のことで、「関数における処理対象データ」であると考えればよいでしょう。

 

例えば関数の検索表示で、SUM関数を選ぶと、「SUM(数値1,数値2,・・) 引数の合計を返します」という説明がされています。ここで、数値1、数値2などが引数です。関数には引数がひとつのもの、複数のもの、数が決まっていないもの(例:SUM関数は、最大30個までの引数指定が可)がありますが、引数がひとつもないもの(例:NOW関数)も中にはあります。

 

引数は数値等の値そのものの場合もありますが、例えば「=SUM(A1:C8)」という風に、一般的にはセルの番地を記述することが多いといえます。

 

この講座では、以下の章に分けて、基本的となる主要な関数の解説をします。

 


ここでは数値計算で用いる(Excel内では、「数学/三角関数」「統計関数」に分類されている)ものの中から、ごく基本的なものを解説します。

  • 合計値                                     SUM
  • 平均値                                     AVERAGE
  • 最大値、最小値                           MAX、MIN
  • 四捨五入、切り上げ、切り捨て        ROUND、ROUNDUP、ROUNDDOWN
  • 整数値                                     INT
  • 個数                                      COUNT、COUNTA、COUNTBLANK


IF関数は設定条件に合う場合と合わない場合で、処理を変える時に使います。

IF関数を知っているのと知らないのでは、Excelの使いこなしに大きな差ができてしまいます。

IF関数は、特定の条件によって返す値を変えたい(つまり条件に合うかどうかの結果で次の処理方法をコントロールしたい)時に使う関数です。

  様式:=IF(条件式,A,B)

『もし、この条件式(論理式と呼ばれます)が成立する(True)ならA、成立しない時(False)はBにする』



Excelの数式や関数でセル番号を指定する際の相対参照、絶対参照、複合参照の違いを解説します。

Excelの数式や関数では、数値を直接入力するだけでなく、数値が入力されているセル番地を指定する「セル参照」という方法を用います。

セル参照には相対参照、絶対参照、複合参照の3種類があり、数式や関数をコピー/貼り付けする際にコピー元のセル番地をそのまま使う(絶対参照)か、コピー元とコピー先のセル番地の差に応じて変換して使う(相対参照)かの違いがあります。



Excelで集計表を作成する際に、グループ別に小計をとって、最後に総合計を求めたい、という時がありますね。

SUBTOTAL関数を使えば、スマートに小計と総合計の計算ができます。

SUBTOTAL関数の最大の特徴は、指定した範囲内にSUBTOTAL関数で求めた値のセルが含まれるときは、それを無視して計算してくれることです。

つまり、SUBTOTAL関数でそれぞれの小計を求め、さらに合計も集計範囲を全体にしてSUBTOTAL関数で求めれば良いのです。

合計を求めるためにいちいち小計のセルを指定して足し算をする必要がありません。



SUMIF関数は、文字通り、条件に適合しているもののみを集計対象にして合計を求めるための関数です。COUNTIF関数は、条件に適合しているセルの個数(=データの数)を求めるための関数です。

 

SUMIF関数から派生したSUMIFS関数についても触れます。

 

SUMIF関数

  =SUMIF(検索範囲,検索条件,合計範囲)

SUMIFS関数

  =SUMIFS(合計範囲,検索範囲1,検索条件1,

   [検索範囲2,検索条件2]・・)

COUNTIF関数

  =COUNTIF(検索範囲,検索条件,合計範囲)



予め、単価表を作っておいて、リストから商品を選ぶと、自動的に単価も引っ張って入力してくれる。こんなことを実現してくれるのが、VLOOKUP関数です。

VLOOKUP関数は、予め用意されている表のデータを参照して、編集中の表やフォームに値を入力するための関数です。

この関数を入力用のシートに組み込んでおくかどうかで、入力作業のスピードや正確性に格段に差が出ます。



#DIV/0!や#VALUE!を消したい!

Excelを使用していて、必ずといっていい程直面してしまうエラー表示。そのままにしておくと、人に見せる表としては、ちょっと恥ずかしいですね。原因と対処策を学びましょう。

#####      セル幅が不足

#DIV/0!     0(または空白)で割っている

#N/A      数式に使用できる値が見つからない

#NAME?   関数名や定義された名前の入力間違い

#NULL!  参照するセル範囲の指定間違い

#NUM!   数式や参照先が間違っている

#REF!  参照先が見つからない

#VALUE!   値として正しくない